晴嵐華さんよりロックマンX小説5「戦士たちのレクイエム」
第一話
「やはり今回もシグマが黒幕か・・・・。」
黒幕の存在を知り怒るエックス
「あいつには借りがある・・・・・今度こそ、その借りを返してやる・・・・。」
アイリスの事件の事を思い出し目をきつく細ませるゼロ
「シグマ・・・きっと手強い相手になるわ・・・・気を付けてね、ゼロ、エックスさん。」
強敵の存在を知り二人を心配するアイリス
「アイリスの言うとおりだ・・・・二人とも・・・・無事で帰ってこい・・・・。」
部下の事を気遣うシグナス
「大丈夫よ、シグナス・・・・この二人は絶対帰ってくるから。」
エックス達の事を信用しジルバが言う
「ああ。俺たちは必ず帰ってくる、シグマを倒して!」
強大な敵に臆する事無く言う
「それまで・・・ここで待っていろ・・・それと・・・・帰ったら言いたいことがある・・・・。」
アイリスを見て言う
「うん・・・気を付けてね・・・ゼロ・・・・何?その帰ったら言いたい事って?・・・。」
心配そうな目をゼロに向けるそしてゼロが言った、帰ったら言いたいことを聞こうとするが無情なタイムリミットが来てしまった
「そろそろ時間だ・・・二人とも・・・転送機の中に・・・・・。」
「分かった、行こうゼロ。」
転送機に向かってゆっくり向かっていく
「ああ・・・・・・。」
決心が付いた目をエックスに向け、転送機に入ってワープする
シュンッ!
「健闘を祈る。エックス、ゼロ」
敬礼する
「さ、アイリス、行こう、ここに居ても何も始まらない。」
アイリスの肩に手を置き優しく囁く
「はい・・・・。(ゼロ・・・・エックスさん・・・・必ず・・・・帰ってきて・・・・。)」
転送機に一瞬視線を向け、ジルバと一緒に部屋を出る
戦士は守る者の為に戦い
守るために傷つき死んでいく
破壊する者は自分自身の為に戦い
自分自信の闇に飲み込まれる
守る者の為に戦う戦士
自分自身の為に戦う破壊する者
二人はお互いを憎み
お互いを恐れ
拒絶し
一生相まみえる事は無い
破壊する者が支配する暗黒の血にまみれた道
人々が絶望し
悲しみの涙が地面を濡らすとき
この世に希望が舞い降りる
「戦士達のレクイエム」
「たくっ・・・・趣味が悪いな!シグマは!」
ドンッ!!
チャージショットを敵の軍勢に放ちながら言う
「ああ・・・・あいつらしいやり方だ・・・・・。」
ザンッ!
背後に居た敵を一瞬で斬る
「ん・・・・?ゼロ!あそこに誰か居る!」
敵を片づけ終わると、一人のレプリロイドが倒れているのを見つける
「おい・・・・こいつは・・・・・。」
レプリロイドの側に駆け寄った瞬間驚きの表情が現れる
「「レノン・・・・・。」」
倒れているレプリロイドがレノンである事に驚きを隠せない二人
第二話
「 ミラ――――ジュ!!!!」
悪夢にうなされていたレノンが目覚める
「気が付いたみたいだぞ・・・。」
レノンの側にいるゼロが言う
「大丈夫かい?」
顔を除きこむエックス
「ミッミラ―ジュは!?ミラ―ジュは無事なのか!?」
起きた途端ミラ―ジュの名前を叫ぶ
「落ち着け!・・・・落ち着いて状況を話せ!」
レノンの肩を掴み、落ち着くように声を掛ける
「僕たちに出来る事があれば・・・協力するよ・・・。」
優しくつぶやき、視線を合わせる
「ミッ・・・・ミラ―ジュがシグマに・・・・・。」
落ち着きを取り戻したレノンはゆっくりと1つ1つ語っていった
「あいつらは仲間じゃないのか・・・?何故味方のミラ―ジュをシグマが・・・・。」
レノンの肩を離し、少し距離を離し言う
「話してくれないかい・・?できるだけ詳しく・・・・真実を・・・。」
目線を同じ高さに低くし言う
「あの時・・・・俺はシグマに復讐をしようとこの基地に乗り込み・・・
シグマの所にたどり着いたんだ・・・。」
『ち・・・・・ちきしょう・・・・て・・・・てめえなんぞに・・・・
この俺が・・・・。』
絶対的なシグマの力にボロボロなレノン
『フン・・・・裏切り者が・・・あのまま逃げていれば良い物を・・・・・。』
レノンを踏みつけながら言う
『む・・・無念・・・・・・。』
屈辱的なシグマの行動に耐えながら、自分の無力を呪う
『このまま消しても良いが・・・・貴様がいなくてはこの計画は達成しない・・・
今しばらく大人しくしていてもらおう・・・。』
手にエネルギ派を集め、レノンに向かい放つ
『(ちきしょう・・・体が動かねぇ・・・俺も・・・・此処まで・・か・・・・・。)』
もはや体を動かすエネルギ―が無いのか、向かってくるエネルギ―波を避けられない
バッ!
そして、その時・・・・誰かがレノンの前に立ちはだかる・・・・
そう・・・・ミラ―ジュだ・・・。
ドッカ――――ン!
『くっ・・・・レノン!逃げて!』
シグマに矢を放ちながら言う
「ミッミラ―ジュ!お前・・・死ぬ気か!?」
手を伸ばしミラ―ジュに触れようとするレノン
『ミラ―ジュ!貴様・・・このわしを裏切るつもりか!?この
父を!!!!!
』
自分の娘であるミラ―ジュの裏切りに驚きを隠せない様子のシグマ
『最初は・・・・シグマ・・・・あなたに逆らうのがこわかった・・・・
けど!今は違う!私はレノンを守りたい!そして・・・
あなたを倒し・・・・・光の下へ出る!!!』
決心をした瞳をシグマに向ける
「・・・・・・・・。」
ミラージュの決心に声が出ないレノン
『この・・・・出来損ないが!貴様の様な役立たずは消し去ってくれる!!』
レノンに放ったエネルギー波より遙かな大きさな物を放つ
『そう簡単にやられる物ですか!!・・・・レノン!行って!!』
シグマのエネルギー波を前にレノンの体を扉の外に出す
ドッカ―――――――ン!!!!!!!!
『
ミッミラ―――――――ジュ!!!!!!!!
』
はじき出されて扉が閉まった直後爆撃音が聞こえ
レノンが叫ぶ
第三話
『だ・・・大丈夫・・・レノン・・・死んでないわ・・・。』
レノンの居る壁に向かって言い放つ
『フン、しぶとい奴だ・・・だがそう長くは持つまい・・・・。』
再びエネルギーを手に集める
『ミラ―ジュ!!此処を開けてくれ!!ミラ―ジュ!!』
必死に涙を流しながら叫ぶ
『レノン!!行って!あなたが捕まったら・・・・この世界は滅ばされる!!』
シグマがやろうとしてることをレノンに伝える
『貴様!逃がすか!!』
ミラ―ジュの言葉を聞き、レノンを捕らえようと扉に向かう
『俺が・・・世界を滅ぼす・・・・・?』
衝撃の真実を知りショックを隠せない様子のレノン
『あなたの相手は私よ!!レノン!!速く!!』
シグマに矢を放ち、レノンに向かって声を張り上げる
『くっ・・・逃がすか!!!!貴様はどけ!!』
ミラ―ジュがレノンに向かっている間にミラ―ジュにエネルギー派を放つ
『キャアアアアアア!!!!!レ・・・レノン・・・・速く・・・・行・・・・って・・・・。』
シグマのエネルギー派を受けてアーマーのほとんどが破壊される
『ミラ―ジュ・・・・ちくしょう・・・・チクショォォォォォォ!!!!!!!!!』
ミラ―ジュの想いを無駄にしない為にプライドを捨て、逃げる
『逃がさんと言っている!!!』
ミラ―ジュの事を無視し、レノンを追う
『あなたの相手は私って言ってるでしょ!!!』
最後の力を振り絞りシグマに向かって矢を放ち、レノンを追うことを妨害する
『貴様!!!!殺してやる!!!!!』
エネルギー派を両手二つに集めミラージュに放つ
『(レノン・・・・どうか・・・・あなただけでも・・・・光に下へ・・・出て・・・。
私は闇から生まれた物・・・・だから・・・光の下へは出られない・・・・。
だから・・・・生き延びて・・・・私の分も・・・・光を浴びて・・・。)』
「そんな事があったのか・・・・・。」
「それに君が世界を滅ぼすとはどういう事なんだい?」
「分からねぇ・・でも・・ミラ―ジュが言った事は本当だ・・あいつは
ウソをつくような奴じゃない・・・。」
レノンが語った真実に驚き、それと同時にミラ―ジュの言った事が気に掛かりレノンに質問するエックス
自分が世界を滅ぼすとミラ―ジュに言われたが、あの時のミラ―ジュの態度は真剣そのものだった為,その言葉を信じる
「だが、お前が世界を滅ぼすと聞いたところでシグマを倒せば終わることだ。」
「そうだね、レノン、僕たちも君に協力するよ、ミラ―ジュを助けるのにね。」
「良いのかよ・・・俺は・・・お前らにひどい事したんだぜ・・・。」
冷静な態度を装いながらレノンを気遣うゼロと優しい言葉でレノンを気遣うエックスを見て
レノンは自分が過去に犯した罪を口に出す。
「あれはシグマに命令されてやった事だ、お前はそれに従っていただけ。」
「うん、ゼロの言うとおりだよ、君は利用されていただけなんだ。」
「助けて・・・くれる・・・のか・・・・・?」
レノンの無実を強調し、優しい言葉を架ける
その言葉が来ると思っていなかったレノンはあっけにとられる
「行くぞ、あまり時間が無い・・・さっさとシグマを倒して帰りたいからな・・・。」
「ゼロ、もうちょっと怪我人を大事にしなよ・・・・・。」
「・・・・・・・・ありがとう・・・・・・。」
レノンに背を向けてシグマの所へ行こうとするゼロの背中を追う
エックス達に小声でお礼を言うレノン
「ん・・・何か言ったか?」
「も、もしかして傷口が開いたのかい??」
「何でもねぇよ!!さっさと行くぞ!!」
レノンの独り言がわずかに聞こえたのか、後ろに振り返るゼロ
怪我を心配するエックスを恥ずかしさから、口が悪くなるレノン
第四話
「フン・・・・ミラ―ジュよ・・・・まさに飼い犬に手を噛まれるとはこの事な・・。」
レノンが去った後、十字架に架けたミラ―ジュに向かってつめたい言葉を吐きかける
「な・・・何度でも噛み付いてやるわよ。」
「生意気な・・・今の貴様に何が出来る・・・・。」
ボロボロになりながらもシグマに逆らい、言葉を返すが、今のミラ―ジュには
反撃の力は残っていなかった
それを見抜いている、シグマは不気味な笑みを浮かべる
「何も出来やしないわ・・・だげど・・・レノンが生きていればそれで良い。」
「レノンはもう1度此処へ来る、お前を見捨てて逃げるほどあいつは
頭が良くないからな。」
自分はどうなっても構わない、それで良い、レノンを救い、目的を果たしたミラージュが言う
だがレノンの性格を知り尽くしたシグマがミラージュに向かって言い放つ
「え・・・そんなはずは無いわ!レノンは絶対に逃げる!」
「あいつは負けん気だけは強い、自分の力を過信しすぎている。」
シグマの言葉に力強く反論するミラージュに的確なデータを言うシグマ
それを聞いた後ミラージュは絶望に表情が埋め尽くされる
「そんな・・・レノン・・・・「ミラージュ!!!!!!」」
「来たか・・・・。」
ガクリと項垂れてレノンの名前を呟くミラージュにレノンが呼びかける
その声を聞いたシグマは嬉しそうに言う
「シグマ・・・・!今日こそ・・・貴様を倒す!」
「てめぇにはでけぇ借りがある!まとめて返してやるぜ!」
ミラージュを十字架から外してレノンがミラージュを抱きかかえて地面に
ミラージュを降ろす
そのレノンの前にエックスとゼロが立ちふさがりシグマに声を上げる
「フン、貴様らは此処で死ぬ、最終決戦の始まりだ!」
そう言うとシグマがマントを脱ぎ捨て、セイバーを持ち、エックスとゼロに襲い掛かる
「シグマ!覚悟!」
「はああああ!!!!!!!」
ゼロとエックスは世界を守る為に闘う、そしてシグマは世界を滅ぼす為に闘う
今世界を巡る戦いが斬って落とされた
第五話
「馬鹿め!そんな物がこの儂に効くか!!」
「なっ・・・俺の・・・チャージショットが・・・・。」
そう言うとエックスのチャージショットを手で掴み消滅させ、ゼロにヘルブライトを放つ
そして凄まじい爆音が辺りに響き、周りが霧に覆われる
「くっ目くらましか!?」
「シグマァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
「貴様!」
シグマが辺りを見渡して居るとレノンが現れシグマのアーマーの一部を切り落とす
「ちぃっ!斬り損ねた!ゼロ!」
「たくっ世話の掛かる野郎だ!」
シグマを仕留められなかったのが心底悔しいのか顔を歪めながらゼロの名前を呼ぶ
レノンに呼ばれてゼロがシグマの背後から現れシグマの腕を切り落とす
「ぐあぁ!貴様らァァァァァァ!!殺してやる!」
腕を切り落とされて怒りをあらわに向かってくるシグマにゼロの背後に隠れていた
エックスがシグマの居る方向にバスターを向ける
「シグマ!喰らえ!!チャージショット!!!!!」
「己――――!!!!まだ終わらんぞ!!!」
チャージショットをシグマに何発も打ち込むとあたりが煙に包まれ
シグマのアーマーのパーツらしき物が辺りに散乱する
「やった・・・・のか・・・・・?」
「フハハハ・・・・・ハァ――――――ハッハッハッハ!」
「ち・・・しぶとい野郎だ・・・首だけになっても生きてやがる・・・。」
ゼロがシグマの散乱しているパーツを見て呟くが、その呟きはシグマの声によって
遮られる、レノンが首だけ辛うじて残っているシグマを忌々しい、と睨み付ける
「儂がこれくらいで死ぬか!!儂は新しい力を手に入れたのだ!」
そう言うとシグマの首が暗闇に消える
「出てこいシグマ!」
「くっ厄介だな・・・・。」
「!てめぇ!離しやがれ!」
エックスとゼロが懸命にシグマの姿を探している時、レノンが声を上げる
レノンの方を見るとレノンの手と足に触手の様な物が
「レノン!捕まれ!」
「くっ!」
「ハハハ!無駄だ!さっさと儂の体の一部となれ!!」
エックスが手を伸ばし、レノンが腕を掴みなんとか取り込まれずに居ると
背後からシグマの声が聞こえ触手がさらに増える。
「ハハハハ!お前さえ手に入れればこの世界は儂の物だ!・・・グワッ!!」
「あなたの思い通りにはさせないって・・・言ってるでしょ・・・・。」
レノンとエックスの離れそうになってシグマが高笑いをしていると
ミラージュがレノンを捕まえてる触手を打ち落とす
「ミラージュ・・・・貴様ァァァァァ!!!!!」
「ア・・・・ガ・・・・。」
シグマがミラージュに向かってエネルギー派を再び放ち、ミラージュを攻撃する
「ミラージュ!!」
「!レノン!駄目だ!戻ってこい!!」
「馬鹿!行くな!!」
レノンが慌てて、ミラージュの所に駆け寄ろうとエックスと手を離すと
シグマの触手がレノンをつかみ
自分の目線の高さまで持ち上げる。
「シグマ!てめぇ!よくもミラージュを!」
鋭い眼光でシグマを睨み付けるが、動きが取れずにもがく
「何とでも言うが良い、儂はお前を吸収した時・・・究極の力を手に入れる!!」
「「させるか!!」」
「邪魔をするな。」
レノンに冷たい視線を向け、不気味に口を歪めているシグマにエックスとゼロが
攻撃を仕掛けるがシグマによって壁に吹き飛ばされる
「ゼロ!エックス!逃げろ!」
「フハハハハハァ!もう終わりだ!何もかもな!」
悲痛な叫びをレノンが上げ、その次の瞬間、辺りが光に包まれる
「レ・・・レノン・・・・。」
そしてエックスの目に飛び込んで来た物は・・・・。
巨大なシグマのアーマーの中心部分の宝石に閉じこめられた、レノンだった。
「さあ!これからが本当の戦いだ!楽しもうでは無いか!最後の戦いを!」
第六話
「ちくしょう・・・シグマはやすやすと世界を滅ぼす力を手にいれちまったって訳だ・・・・。」
ゼロが心底悔しそうに壁を叩く
「喋っている暇は無いぞ!」
「ゼロ!レノンを救うぞ!」
「ああ!分かってる・・・・!」
シグマがその様子を見て、攻撃を仕掛けると、エックスがゼロに話しかけ、一斉に避ける
『あれ・・・此処・・・何処・・・だ・・・・?』
シグマに吸収されたレノンが目を覚まし、辺りを見渡す
『俺・・・たしか・・・シグマに吸収されて・・・エックスは!?ゼロは!?』
慌てて、目を見開き、ゼロとエックスの方を、シグマの体の中から見る
「ぐあっ!・・・・やっぱりさっきとは桁外れだ・・・・。」
「ハァ・・ハァ・・・ちくしょう・・・忌々しい・・・・。」
エックスとゼロはボロボロになっていてながらも、何度も何度も立ち上がり、
シグマに向かっていく
『・・・何で・・・あいつら・・・あんなになっても立ち上がるんだよ・・・・。』
信じられない、と膝をつく
『どうして・・・どうして・・・・。』
『レ・・・ノ・・・・ン・・・・・。』
頭を抱えて、レノンが苦しそうに顔を歪めると、どこからか女の人の声がする。
『だ・・・誰だ!』
『私よ・・・レノン・・・。』
慌てて、立ち上がり周りを見渡すと、そこにはミラージュの姿があった。
『ミラージュ!生きてたのか!?』
『ううん・・・ここに居る私は記憶でしか無いわ・・・。』
嬉しそうにミラージュに駆け寄るが、レノンの腕はミラージュを触ろうとしたが、
無情にもすり抜ける,それを見て心底残念そうにミラージュが言う
『記憶・・・?』
『そう・・・私はこの出来事を予想して・・・自分の記憶をシグマの
体内に入れておいたの・・・。』
レノンが呆然として、ミラージュを見ると、ポツリ、ポツリと語り出す。
『・・・・そうか・・・・ミラージュ・・・お前に会えたのは嬉しいけど・・
だけど・・・。』
『分かってる・・・・ゼロとエックス達の所に行くんでしょ?』
顔を伏せるが、決心を固めた表情でミラージュを見ると、それを満面の笑みで、
レノンの考えを当てる
『お前・・・分かってたのか・・・・・?』
『何年レノンと居ると思ってるの??それぐらい分かるわ。』
唖然とした表情でミラージュを見ると、口に手を当て、クスクスと笑う
『そうだったな・・・だけど・・・どうすれば此処を出られるか・・・。』
『教えてあげようか?此処を出られる方法。』
少し微笑むと、すぐに出られる方法を考えこむと、ミラージュがレノンの顔を
除きこみ言う
『本当か!?ここから出られるのか!?』
『お・・落ち着いて聞いて・・・レノン。』
ミラージュの肩を揺らし、レノンが聞くと、ミラージュがレノンを落ち着かせ、
静かに口を開く
『あなたの武器はもう壊れて使えない・・・だから私のこの弓を使って。』
『良いのか?お前の弓・・・・。』
『良いのよ、どうせ私はもう使えないんだし。』
そう言うと弓を出し、レノンに差し出し、掴ませるとレノンがミラージュに聞き返すと
ミラージュは悲しく笑って、言う
『それと・・・シグマの心臓は別の場所にあるわ・・・それは・・・。』
『シグマの心臓?』
すると真剣な表情になりミラージュがレノンに向かって、言うとレノンが聞く
『ええ、シグマは心臓を破壊しないと倒せないわ・・・いくら体を壊してもね・・・。』
『その心臓は何処にあるんだ!?教えてくれ!』
『後悔するかもしれないけど・・・聞いてね・・・?』
自分の胸に手を当てながら言うとレノンが鬼気迫った顔でミラージュに聞くと
レノンが童謡するのを知ってるように、言う
『・・・・そんな・・・・シグマの心臓は・・・・。』
深く絶望した様な表情でレノンが頭を抱え、言う
『でもしょうがないわ、たくさんの命と引き替えだもの・・・。』
『・・・分かった、後は任せろ・・・・ミラージュ。』
悲しそうな顔をして、レノンの頬に手を当てるとレノンが迷いを捨て、弓を構える
『うん、ありがとう。』
『ミラージュ・・・さようなら。』
ニッコリと微笑み、ミラージュが手を振ると、レノンが振り返り、
いつも通りの表情で返事をすると
矢を放つ、レノンが通れる程の穴が空き、エックスとゼロの所へ行くために、走り去る。
『・・・・レノン、過ごせた時間はとても短かい物だったけど・・・
あなたに会えてよかった・・・・・。
こんな闇に生まれた私でも・・・一瞬の間光の下へ出ることが出来た・・・
とっても嬉しかった。
だから・・・あなたは光の下へ出て・・・レノン・・・大好きよ、
私はいつまでもあなたと供に・・・。』
役目を終え、ミラージュの体が消えていき、最後にレノンに向かって、
言葉を残し、消える
第七話
「ハァハハハハ!無様だな!エックス!ゼロ!」
そんなミラージュ達とレノン達とは裏腹にシグマとエックスとゼロは戦い続けて居た。
「くっ・・・俺は・・・あきらめない!」
「あいつに・・・帰るって約束したんだ・・・こんな所でくたばってたまるか!」
シグマの笑いをかき消すように、エックスとゼロが再び立ち上がり、戦いを挑む
「無駄だ!貴様らは儂には勝て・・・・。」
「?・・・シグマの様子がおかしい・・・。」
「俺がこんな事で死ぬかーー!!」
再びエネルギー派を放とうとするが、動きが一瞬止まり、シグマの様子がおかしい事にゼロが気付き、目を見開くと
シグマの胸の部分の宝石が真っ二つに割れ、ミラージュの弓を持った、レノンが出てくる
「きっ・・・貴様・・・何故あそこから出られた・・・・。」
胸の宝石を押さえ、言う
「ヘン、てめぇには一生分かんねぇよ。」
「レノン!無事だったんだね!」
「・・・それは・・・ミラージュの弓・・・何故お前が持っている・・・?」
ベー、と舌を出し、言うとレノンにエックスとゼロが駆け寄るとミラージュの弓に気付いたのか
ゼロがレノンに疑問を投げかける。
「これか?何でも無ぇよ、それよりも・・・シグマを倒すぜ!」
「まあ・・・後で色々聞かせて貰うよ・・・。」
「たく・・・お怒りの様だぞ・・・シグマは。」
「ぐぅ・・・レノン・・・・貴様ぁ・・・。」
一瞬悲しそうな顔をするが、すぐに元のレノンに戻り、シグマに向かって指を指す様子を見て
エックスとゼロが半ば呆れ気味でシグマを見ると、血管が浮き上がる程怒っていた。
(レプリロイドに血管ってあるの??BY:晴嵐華)
「エックス、ゼロ、頼みがある。」
「・・・何だい・・・・?」
「お前の頼み事は予想がつくがな・・・聞いてやる。」
ゼロとエックスの方に振り返り、レノンが真剣な表情で言うとエックスとゼロも真剣な様子で
レノンを向き合い、聞く。
「シグマは俺に任せてくれ、あいつとは決着をつけなくちゃいけない。」
「でっでも・・・シグマは君だけじゃ・・・・。」
「エックス・・・レノンの頼みを聞こう・・・。」
ミラージュの弓をギュッと掴みながら、言うとエックスがレノンの肩を掴み、反論すると、
ゼロがエックスの手をレノンの肩から離し、説得する。
「貴様らぁ!いつまで話している!行くぞ!!!」
「・・・・・。」
そう言っている間にもシグマがエネルギー派を放とうとするが、レノンはそれを無視して
ミラージュの体が置かれている場所へと歩みを進める
「レノン!何してるんだ!早くシグマを!」
「・・・何を考えている・・・あいつは・・・・。」
その行動に驚いたエックスが大声を出し、レノンに呼びかけていると、ゼロが後ろで頭を抱える
「血迷ったか?レノン!!引導を渡してやる!!死ねぇ!!!」
「・・・・死ぬのはお前だ。」
エネルギー派が向かってくるのを見て、ミラージュの体を優しく抱き上げると矢でエネルギー派を破る
「すっ・・・すごい・・・俺のチャージショットでも・・・破れなかったシグマのエネルギー派を一撃で・・・。」
「・・・ミラージュはそれ程強かったって事か・・・おしい奴を亡くしたな・・・。」
呆然としながらも、冷静に目の前の現実を見る、エックスとゼロ。
「・・・・ごめんな、ミラージュ。」
「まっまさか貴様!!やめろぉぉぉぉ!!!!!!」
辛そうに眉をひそめ、ミラージュの体を空中に投げるとシグマが血相を変えて、
レノンを止めようとする。
「これで終わらせる、全てを。」
そう言うとミラージュから渡された弓を力いっぱい弾き、ミラージュに命中させると
ミラージュの体が砕ける
第八話
そう言うとミラージュから渡された弓を力いっぱい弾き、ミラージュに命中させると
ミラージュの体が砕ける
「レノン!君は・・・何をしてるんだ!」
「・・・・ミラージュを矢で撃った・・・・何を考えて居るんだ・・・・。」
レノンに近寄り、ゼロとエックスがレノンに答えを求める。
「その理由は後で言う、今はこいつをかたづける。」
「くっ・・・貴様・・・・何故・・・この事を知っている・・・。」
冷酷な目をシグマに向けて言うとシグマの体が徐々に崩れていき、
「ミラージュに聞いたんだよ。」
「ミ・・・ラー・・・・ジュ・・・・だ・・と・・・・・あいつに・・・そんな・・・機能は・・・無い・・・・は・・・・ず。」
そう言いながら、ミラージュの弓を見せるとシグマが驚きの表情を浮かべ、消えて行く。
「だから行っただろう?お前には一生分からないって・・・。」
そう言うとエックスとゼロの方へ振り返る
「レノン・・・どうやって・・・シグマを・・・?」
「それは後だ!此処はもうすぐ崩れる!早くここから脱出しねぇと死ぬぞ!」
「くっ・・・その様だな・・・行くぞ!」
エックスが訪ねるが、建物が崩れているのをレノンが見て、ゼロがいち早く、走り出す。
『ミラージュ・・・ありがとう・・・俺・・・・お前の分まで光の下へ出る・・・・。』
心の中で呟くと、ゼロとエックスに続き、建物を脱出する。
「ハァ・・・ハァ・・・・何とか・・・・大丈夫みたいだね・・・・。」
瓦礫の下から、エックスが顔を出し、言う
「ああ・・・大丈夫か・・・・レノン・・・・。」
「こんぐらいで死ぬか。」
そう言うと続けてゼロとレノンが瓦礫の下から顔を出す。
「そう言えば・・・話してくれるかな・・・・ミラージュとシグマの事・・・・?」
「・・・・ああ。話すよ。」
「どうして・・・ミラージュの体を破壊したらシグマが・・・。」
突然思い出した様にエックスが言い、レノンがそれに応じると、ゼロが早速質問する。
「シグマは・・・ゼロ、お前の力を手に入れる為に・・・俺を作ったんだ。」
「俺の・・・力を手に入れるため・・・・?」
「そうだ・・・だけどお前の力を手に入れるのは無理に近い話だ。」
淡々と、自分がシグマに作られた理由を述べて行く。
「それで・・・シグマはどうしたんだい・・・・・?」
「シグマはゼロにより近く、そして力をより効果的に扱える存在を作った・・・
それが・・・俺だ。」
「・・・・ゼロにより近く・・・力を効果的に扱える存在・・・。」
「ゼロの他に誰を元に作ったんだい?」
「アイリスさ。」
「「アイリスゥ!?!?!?!?」」
「・・・と言う事は君はゼロとアイリスさんの子供って言う存在になるの!?」
「ま、そういう事だな。」
「・・・・・・。」
淡々と述べていくレノンを見て、ゼロが呆然としてレノンを見る
「シグマはわざと俺を少年型として生み出した、俺がシグマに反逆をすると
知っててな・・・・。」
「だが・・・自分の命が危機にさらされると知って何故・・・・。」
「そこが分からない・・・。」
深刻な顔をして話すレノンの話を真剣に聞き入る、二人。
「だからシグマは俺に殺せないレプリロイドを作り、自分の心臓を其処に移した。」
「も・・もしかしてそのレプリロイドって・・・・。」
「ミラージュ・・・・。」
苦しく、悲しそうな顔をしながら話すと、エックスが絶望の表情を浮かべ、ゼロが
レノンの方へ顔を向け、言う
「シグマは俺の世話をミラージュに命令した、俺とミラージュの距離を縮めて俺が
ミラージュを殺せない様にしたんだ。」
「なるほど・・・・だけど何故・・・君がその事を・・・・?」
「それに・・・ミラージュが持っていた筈の弓をお前が持っていた・・・
シグマの中にあったのか??」
「ミラージュがシグマの中に自分の記憶データを入れておいてくれたんだ、
そしてこの弓も・・・・。」
レノンがミラージュの弓を悲しそうに、そして愛おしそうに見つめる、
とゼロとエックスが視線を落とす。
「これが俺の知っている事の全てだ、もう教えられる事は無ぇ、アバヨ。」
「・・・・待て。」
レノンが軽い感じで言い、その場を去ろうとすると、ゼロがそれを止める。
「まだ何かあんのかよ?」
「・・・お前は今回の事件で多大な貢献をした・・・きっと・・・ハンターベースは
お前を・・・・喜んで迎えると思う・・だから・・・。」
「?」
「君をハンターにならないかって誘ってるんだよ。不器用な彼なりにね。」
「そう・・・なのか?」
「・・・ああ。」
ゼロが照れながらも、レノンをハンターに誘い、その意志をエックスがレノンに伝えて、照れながらも答えるゼロ。
「でも・・・俺はお前達に酷い事・・・・。」
「それはシグマに命令されてやった事だろ?気にしなくて良いんだよ。」
「後はお前の意志しだいだ・・・・レノン。」
「・・・・・ありがとう・・・。」
レノンが呆然とした表情で聞くと、笑顔でエックスが答え、ゼロが質問すると、
顔を赤くしながら、レノンが答える。
「じゃあ俺がシグナスに伝えておくよ。」
「頼む。」
「・・・・世話掛けるな・・・・。」
そう言うとエックスが通信機を取り出し、シグナスに通信すると、無愛想×2が
それに答える。
第九話
「良いって、レノン、良かったね。」
シグナスの通信を切って、エックスがレノンの方に向き帰り、笑顔で答える。
「おうよ、よく俺なんか引き取る気になったな、あの堅物。」
「たしかにな、こんな不良を。」
「アハハ・・・まあ良いじゃない?結果オーライで。」
レノンが不思議そうに答えると、ゼロがレノンを指さし言う様子を見ながらエックスが苦笑する。
「じゃあ帰ろうか、俺達の事を待ってくれてる人達の所に!」
「・・・ああ。」
「おう!」
「・・・・ところでレノン、その肩についているのは何だ?」
「ん?何だコリャ?」
エックスが思いっきりの笑顔で言うと、ゼロとレノンがそれに答えると、
ゼロがレノンの肩に付いている光っているパーツの様な物を指さし、言う。
「・・・・これって・・・・メモリーチップ?」
「もしかして・・・ミラージュの?」
「・・・・確率は高いな。」
エックスが光っているパーツをレノンの肩に付いている、メモリーチップを取り、言う
「じゃあミラージュが生き返るって事!?良かったねレノン!!」
「あ・・・ああ!!」
「・・・・それは良いがお前達・・・さっさと転送装置を起動させろ、
こんな居心地の悪いところにはもう居たくない。」
「「あ・・・。」」
エックスとレノンが手を取って喜んでいると、ゼロの冷静なツッコミに唖然とする。
「ゼロから通信があったて本当ですか??」
「うん!そうだよ!アイリス!」
「・・・・その事だが、すまないがアイリス、君は席を外してくれないか?」
「え・・・何か重要な事でも話すのですか?」
「ちょっとシグナス!アイリスは・・・・。」
「分かりました、ゼロが無事なら私はそれで良いです。」
「すまないな・・・。」
「ごめんね、後でシグナスの事、火炙りの刑にしておくから。」
「ジルバ!お前はそんな物騒な事を・・・・!」
「い・・いえ・・・じゃあ私失礼します。」
ゼロと通信があった事に呆然し、ジルバに聞き返すと、ジルバが笑顔でアイリスの肩を揺らす。
その様子を見ていたシグナスが罪悪感MAXな顔でアイリスに退室を要請すると、
ジルバが声を上げて反論するが。
アイリスは「ゼロが無事ならそれで良い。」と受け入れる。
「・・・まさかレノンがね・・・。」
「ああ・・・まったく予想できなかった・・・・。」
アイリスが退室した後、真剣な様子で話す。
「あっ。転送装置が作動してる・・・ゼロとエックスとレノンね。」
「あいつらには後で礼をしなければならないな・・・。」
転送装置が発動するのをみて、ジルバが転送装置を起動し、後からゼロとエックスとレノンの姿が現れる。
「ただいま、ジルバ・・・。」
エックスはジルバに向かって微笑む。
「ただいまじゃないわよ、なんなのそのボロボロのアーマーは!」
「え・・これはシグマに・・・・。」
「・・・・・哀れだなエックス。」
それを見て、ジルバがビシッ!と指を指し、すさまじい迫力で言うと、
エックスが後退しながら言うと、ゼロが哀れみの視線を送ってくる。
「・・・・まあそれは置いといて・・・後で酷いわよ・・・エックス?」
「か・・勘弁して・・・・・。」
「・・・いつもこんな調子なのか・・・?」
「ああ・・・こんな調子だ・・・。」
ジルバがレノンの方に視線を向けるが、エックスへの捨てぜりふは忘れない、
それを見かねたレノンがゼロに質問する。
「そう言えば、レノン、ハンターベースにようこそ、私はジルバ宜しくね♪」
「私は総監のシグナスだ、宜しく頼む。」
「・・・・宜しく。」
ジルバとシグナスがレノンに近づき、挨拶をする。
「あなたの事なんだけどさっきハンターになる事を申請する書類を送っておいたから。」
「へ?」
「お前はもう正式なハンターと言うことだ。」
「随分早いな・・・・。」
「アハハ・・・。」
手を離すと、ジルバがキッパリと手続きが完了した、と言うとレノンがポカンと口を開け、
それを見たゼロとエックスが冷や汗を流す。
「ハンターは手が早いな・・・。」
「ええ、それが自慢ですモノ、あっゼロ、早くアイリスの所に行ってあげたら?」
「そうだったな、彼女にはすまない事をしたからな。」
「うん、早く行ってあげなよ、きっとゼロの事心配してるから。」
「あ、ああ・・・・。」
レノンが感心していると、皆がゼロをアイリスの元へ行かせようとする、
ゼロもアイリスの事が気になるのか急いで部屋を出る。
「フフ、ラブラブねぇ〜vゼロとアイリス・・・・。」
「ジルバ・・・応援するのは良いが変な事はするなよ・・・・。」
「まあまあ、良いじゃないですか幸せそうで。」
「・・・・・俺本当にハンターになって良かったのかな・・・ミラージュ・・・。」
ジルバがゼロが出て行ったドアを見てニヤリと微笑む様子を見て
シグナスが釘を刺すとエックスが笑顔で場を和ませる。
その様子を見て、レノンが自分の決断を本当に良かったのか悩む。
「アイリス!」
「ゼロ。お話終わったの??」
「ああ、今終わった。」
「そう・・・良かった。」
ゼロがアイリスの居る屋上へ行くと、アイリスがゼロの顔を唖然とした表情で見る。
「あ、ゼロ!酷い怪我!・・・・速く直さなきゃ!」
「ア、 アイリス・・・その前に・・・言いたいことがある・・・。」
「何??」
「お前は・・・嫌かもしれないが・・・。」
アイリスがゼロの体を見て、怪我をしている事に気付き、手をひくが、ゼロに止められる。
「えっと・・・・その・・・・。」
「もぅ、どうしたのゼロ?あなたらしく無いわよ?」
「アイリス。」
「何?」
顔を赤くしているとアイリスがゼロの顔をのぞき込むと、深呼吸をして、
ゼロが覚悟を決めた様に真剣な顔つきになる。
「俺と・・・。」
「俺と?」
「結婚してくれ。」
「え・・・?」
ゼロが言葉を必死に言葉を口から出す、それを聞いたアイリスが呆然と立ちつくす。
第十話
「えーと・・それって・・・男と女の人がドレスを着て・・・愛を誓い合う・・・あれ?」
「あ・・・ああ・・・。」
「そう・・・。」
「・・・・・。」
少し突然だった為、驚きを隠せない、アイリスだったが落ち着いて息を吐く。
「え・・と・・・本当に私で良いの・・・?」
「俺はお前しか考えられない・・・無理を承知で言ってるんだ・・・。」
「・・・・本当に本当?」
「本当に本当だ。」
「これって夢じゃ無いわよね?」
「夢じゃない。」
「そうだとしたら・・・。」
信じられない様子でアイリスがゼロに質問をする。
「嬉しい・・・。」
「え・・・。」
「私はゼロの事好きだもの・・・・。」
「それって・・・・・。」
「こんな私で良かったらお願いします。」
顔を赤らめ、アイリスがゼロに向かってお次期をする。
「あ・・・ありがとう・・・・。」
「それはこっちの言葉よ、でもとっても嬉しい。」
「アイリス・・・。」
「ゼロ・・・・・。」
「えーと・・・お二人さん・・・良い雰囲気の時・・悪ぃんだけど・・。」
ゼロとアイリスが見つめ合い、唇があと1cmで触れようとした時・・・
レノンが現れる。
「レッレノン!お前・・・何してる。」
「あっあら・・・レノン君・・・傷は大丈夫なの??」
「ああ、いちおう今自動回復してる。」
赤い顔でゼロとアイリスが離れると、レノンが冷や汗を流す。
「えーと、私達に何か用?」
「そういえば・・・これはジルバの差し金か?」
「ああ、ジルバがゼロの所に行って来いって言ってた。」
苦笑いをしながらアイリスが聞くと、レノンが平然と答える。
「あっ・・・レノン君、ヘルメット取ってるのね・・・。」
「シグマに壊された。」
「でもヘルメットを取ったレノン君って可愛い〜v」
「えっ////////」
「・・・・・レノン。」
アイリスがレノンに抱きつきそれを見たゼロが険しい顔つきで威嚇する。
「ゼッゼロ・・・誤解するなよな・・・・。」
「?どうしたの?ゼロ?」
「いや、何でも無い。」
レノンが青い顔をするがアイリスは気付いていない様子で言うと、
ゼロがアイリスには笑顔で何も無い、と言う。
こうしてアイリスとゼロとレノンは幸せな時を過ごしている。
レノンがゼロとアイリスに囲まれ、笑顔を見せる日はきっと遠く無い筈だ。
「エックスの手記」
そしてレノンが正式に俺達の仲間になってから数ヶ月が経ちました。
レノンはと言うと子供のアーマーから大人のアーマーへと代わり、
はりきってハンターとして活躍しています。
彼ごとく「シグマに生み出されたときに着用してたアーマーなんか着たくねぇ。」なんだって
たしかにレノンの気持ちも分かるかな?ゼロも「さっさと脱げ。」って言ってたしね。
レノンとゼロって本当に似てるよな、親子って実感する。
それとミラージュの事だけど、ケイン博士が修理してくれた結果、
幼児形レプリロイドとして修正が完了したんだ。
そしていよいよケイン博士がミラージュとしてのプログラムを埋め込もうとした時、
なんとそのプログラムをレノンが破壊したんだ
みんな「何で!?」ってレノンに言ったんだけど、レノンは
「もうミラージュは死んじまったんだ、こいつにシグマの足枷を付けたくない。」
って言うレノンなりの理由があったみたい、
それでミラージュはレノンの妹として生まれ変わったんだ。
名前はソニアちゃん、レノンが名前を考えたんだ、サンダーソニアって言う花の名前から取ったんだって
花言葉は「愛嬌」「祈り」「共感」「望郷」「祝福」「福音」「純粋な愛」
レノンも花言葉知ってたんだ・・・・ちょっと意外・・・・。
その後ソニアちゃんは順調に成長、毎日が楽しくて仕方ないみたい、
俺もソニアちゃんの成長を見守るのも楽しいけどね
そしてこのごろ俺の日常の中で一番印象に残ったのは・・・・・。
アイリスさんとゼロの結婚式だね。
あの恋愛に無関心だったゼロがね・・・昔だったら考えられないよ。
アイリスさんもプロポーズされた時びっくりしてたし。
でもレノンを見て決心したみたい、母親になろうって
結婚式が終わってからはさらにイチャイチャ度が上がったね・・・・。
ハンターベースの気温が10℃くらい上がったかもしれない。
まあ幸せそうだから良いんだけどね。
こんな感じで俺達の平和な日々は流れています。
これからもこの平和が続くと良いな、と思ってる
「おい、何やってるんだよ、エックス、早く行こーぜ。」
「あっレノン、うん、今行くよ。」
エックスが手記を書いていると後ろからレノンが現れ声を掛ける
そして手記を閉じて、レノンの側に行く
「レノンお兄ちゃん!エックスお兄ちゃん!早く早く―――!」
そうしているとソニアがハンターベースから出てきて、黄緑色の長い髪と緑色の
母親似の目を大きく開きながらレノンとエックスに手を振る
「ソニア・・・気を付けろよ、転んだら痛いからな・・・。」
「エヘヘ、大丈夫だよ!お父さんが支えてくれてるから!」
しばらくするとゼロもハンターベースから出てきてソニアの方を掴んで支える
そしてソニアがそれを見て笑顔で言う
「ソニアちゃんは良いね、優しいお父さんとお兄ちゃんとお母さんが居て。」
エックスがソニアの目線の高さにかがんで頭を撫でながら言う
「うん!ソニア、みんなの事大好きだもん!」
「そうか・・・良かったな。」
「柄にもなく照れるなよ親父。」
ソニアが満面の笑みで言い、ゼロに抱きつくと少し照れたゼロがソニアの頭を撫でる
それを見て、レノンが照れ隠しに言う
「てゆーか母さんに呼ばれたんだった早く行こうぜ。」
「ああ・・行くぞソニア。」
「はーい!エックスお兄ちゃん!肩車して!」
「え?俺・・・お父さんじゃなくて良いのかい?」
レノンが思い出したように手を叩き言うとゼロがソニアに声を掛ける
エックスが歩き出そうとした時ソニアが腕を掴み肩車をして、とねだる
「親父、振られたな。」
「黙れ。」
「痛ぇ―!自分の息子に何すんだよ!」
「お前が悪い。」
「エックスお兄ちゃんが良いの!早く―!」
「はいはい、よいしょっ。」
「アハハ!高い、たかーい!。」
レノンがお気の毒にと、言うと少しは悔しいのかゼロがレノンの頭を叩くとレノンが
抗議するがゼロが受け流す
そんな親子二人の空気を知ってか、知らずかソニアが無邪気にエックスに肩車をねだり
続けるとエックスが折れソニアを肩に載せるとソニアが無邪気にはしゃぐ
「皆さーん、シグナスさんとジルバさんが呼んでますよー。」
「今行く。」
アイリスが近くの部屋の窓から顔を出すとゼロが素早く反応し、アイリスの元へ行く
「おー、お暑い事で、エックス先行ってようぜ。」
「そうだね、ああなって邪魔したらゼロ怒るし。」
「お父さんとお母さんラブラブだねー。」
レノンが手で仰ぎながら呆れたように言うとエックスも苦笑し言うとソニアが
無邪気な意見を言う
「アイリス。」
「あれ、ゼロ、どうしたの?レノンとソニアと一緒に来ればよかったのに。」
アイリスがシグナスとジルバの所に行こうと、歩き出した時にゼロがアイリスを
呼び止める。
「いや、お前と話したかったから・・・・。」
「そうなの?・・・嬉しい。」
ゼロが赤くなりながらアイリスに理由を言うと、アイリスもまた、赤くなる。
「アイリス・・・俺は・・・これからも・・・お前の側にいる。」
「うん、私も。」
二人が見つめ合い、段々と距離が縮まり、やがて重なる。
「じゃあ、行きましょうか、遅くなるとレノンに冷やかされるし。」
「そうだな。」
少し経ち、二人が離れると、アイリスがゼロの手を掴んで、歩き出すと、ゼロも一緒に
歩き出す。
「遅ぇっ!いつまでやってるんだあのバカップルは!!」
「まぁまぁレノン・・・落ち着いて・・・。」
「遅いねー、お母さんとお父さん。」
「・・・・遅いな。」
「きーっとイチャイチャしてるんじゃない?あーなったら一時間は来ないわね。」
ところかわって、レノン達は暇だれていた・・・・。
「これいらなーい、お兄ちゃん食べてv」
「コラ、きちんとエネルギーは残さず食べなさい、ないすばでぃーなお姉さんになれないぞ。」
「例えが悪いよレノン。」
「ソニアちゃんが大人になったらさぞもてるでしょうねー♪・・・その時が楽しみ。」
「おいジルバ、何か変な事考えてるんじゃないだろうな・・・・。」
エネルギーを飲んでいると、嫌いな種類があり、レノンに渡そうとするがレノンも
嫌いだったので屁理屈を良い、拒否るとエックスにツッコまれる。
そしてジルバがソニアの大人になった時を創造し、何か不吉な事を考えているのに
シグナスが気付き、聞く。
「ブー、レノンお兄ちゃんのイジワルー。」
「イジワルで結構。」
「良いもん、レノンお兄ちゃんを後でこの世から抹殺するからv」
「・・・・ソニアちゃん・・・その言葉を誰から・・・・。」
「ジルバさんから♪」
「ジルバー!!!!!」
「って居ないし!」
ソニアがふてくされて物騒な事を吐くと、エックスが恐る、恐る聞いてみると、
ソニアの口からジルバの名前が出てきて
レノンがジルバを探すが、もはやその場には居なくて、シグナスがツッコむ。
・・・・まあそんな感じで俺達の日常は過ぎてます、ゼロとアイリスさんは
イチャイチャ三昧。
レノンとソニアちゃんは兄妹で仲良く過ごしていて、
ジルバさんとシグナスはそんな様子を見ながら、仲良く笑顔で見守っています。
この平和な毎日がずっと続く事を俺は祈ります、心の底から。
エックス
ELITE HUNTER ZERO