晴嵐華さんよりロックマンX小説11
「Load a star with a wish.〜星に願いを込めて〜」
「は?七夕??」
「そう!七夕!」
レノンが仕事をしていると、ソニアがニコニコしながら言う。
「てか七夕って何だよ?知ってるのかソニア?」
「ん〜とね、昔織姫と彦星って言うとっても仲が良い恋人が居たんだって、
その2人は毎日を楽しく過ごしていたんだけど。 仕事をしなくなっちゃったんだ、
それで天の神様が二人を引き離しちゃったんだ。
でもさすがに天の神様も可哀想って思って、1年に1回二人を会わせてあげたんだって!
それが七夕〜!」
「ふーん、すごいじゃんソニア難しい事覚えてさ。」
ソニアの話をうんうん、と頷きながら聞く。
「英鴻さんに教えてもらったの!」
「ふ〜ん、あいつにしては結構まともな事教えるんだな。」
「英鴻さんは何時もマトモだよ!」
「あ〜はいはい、お兄ちゃんはお仕事だから邪魔しないでくれよー。」
ソニアが嬉しそうに話すと、レノンも笑顔で話す。
「うん!じゃあお兄ちゃんまたね〜!」
「おうよ、暇になったら遊んでやるよ。」
ガシャッ。
「七夕ねぇ・・・まあソニアが楽しそうだから良いか。」
扉が閉まる音が聞こえると、レノンがまた仕事を再開する。
そしてあっという間に夕方。
「んー・・・終わったー・・・さて・・親父の所にでも行きますかな。」
「あ、レノンこんな所に居たんだ。」
「あー!やっと見つけたー!」
「エックスにアクセル、どうしたんだよ何か用か?」
「オイラも居るぜー。」
レノンが背伸びをしていると、エックスとアクセルとラットグがレノンの私室に入ってくる。
「ソニアちゃんがレノンの事呼んでたよ、
何でも願い事を短冊に書いて笹につるすんだって。」
「大変だったんだよ!レノンの事探すのー。」
「ふーん、まあ良いけどさ、行こうぜエックスにアクセル、
親父と母さん放っておくと何時までもイチャツイてるしな。」
「そうなのかい?」
「ああ、最長記録が7時間だ。」
「ヘー・・・これが世に言うバカップルって奴かい?」
「まあそうだね・・・じゃあそろそろ行こうか、ソニアちゃんも待ってる事だし。」
「ゼロとアイリスさんも止めなきゃ行けないしねー。」
そう言うと話ながらソニアの方へ向かう。
その頃ソニア達は・・・。
「七夕かー、懐かしいわね、兄さんとジルバさんと幼い頃やったのを覚えてるわ。」
「そうなのか・・・?」
「うん、ジルバさんとは幼馴染みなの。」
「それで、その噂の張本人達は何処に行った?」
ゼロとアイリスが夜空を見ながら身を寄せて、会話を交わす。
「何でも兄さんと残業デートですって。」
「フーン、ハンター総司令官も楽じゃないみたいだな。」
「でも兄さんもジルバさんも嬉しそうだったけどね。」
「まああいつらはあいつらで良いだろう。」
「お父さん!お母さん!ほら願い事書こう!願い事!」
「ソニアちゃん、夜道は危険デスヨー。」
ゼロとアイリスが微笑みながら会話をしていると、
ソニアと英鴻が短冊を持ってゼロとアイリスの元へ走ってくる。
「フフ、ソニア走らなくても七夕は逃げないわよ?」
「でも!速く書きたいの!」
「ああ、分かった、じゃあ書こうか、願い事を。」
「よー、お待たせー。」
「ゲスト達のご登場デスネ。」
「ごめん、ちょっとレノンを探すのに手間取っちゃって。」
「本当だよ、まあ見つかったから良いんだけどねー。」
ソニアと話していると、丁度レノンとエックスとアクセルとラットグが到着する。
「遅いよお兄ちゃん!速く願い事書こう!」
「ハイハイ、んじゃ書きますかな。」
「そうだね、んーじゃあ此に書くかな。」
「じゃあ私も書こうかな。」
「・・・俺も。」
「僕は何書こうかなー?」
「ワタシも便乗させてもらいます。」
「んじゃオイラも英鴻兄ィと一緒に便乗させてもらいやすぜィ。」
そうすると、皆で短冊を選び、書き始める。
「できたー!」
「俺も完成―。」
「同時に出来たね。」
「じゃあさ!皆で見せてみようよ!願い事って奴をさ!」
「短冊って見せる物だったかしら?」
「・・・さあな?」
そうすると、一斉に短冊を見せ合う。
「えーと・・・最初は・・・世界が平和になります様に、これはどう見てもエックスだな。」
「うん、こんなマイナーな願い事をするのはエックスしか居ないでしょ。」
「マイナーって言うなアクセル!此は大切な願い事だぞ!」
いかにもエックスが書いたような願い事を見て、皆納得する。
「ハイハイ、次次、・・・・世界征服ぅ!?!?」
「それ僕―!」
「そうなの?アクセルさん!格好いい!!」
「えーと・・・それは格好いいのかしら?」
「オイラににゃ分かんないねー。」
意外な願い事が出て皆少し驚く。
「これはっと・・・とりあえず生きてますように、これお前だろラットグ。」
「え、何で分かったんすか?」
「何となく・・・。」
「レノン少年とラットグはまるで以心伝心、関心、関心。」
いかにも素朴なラットグらしい願い事に頷く。
「あ、これ俺の願い事だわ。」
「お兄ちゃんの?読んでみて!」
「まあ良いけどさ、驚くなよ??俺の願い事は・・・・
ケーキバイキング全種類制覇。」
「お前甘い物好きだったのか?」
「おうよ、英鴻にケーキ貰って食ってみたらすんげえ上手かった!」
「女の子みたいな好みだね、レノン。」
「女の子みたい言うな!」
「可愛い好みの食べ物ね。」
「見た目も女に間違われる所見た事ありますしねぃ。」
「そうそう、女の子〜♪」
レノンの意外な好物に皆驚く。
「ったく、次!・・・不老長寿?おい英鴻、俺達レプリロイドは歳取らねーぞ。」
「アイヤー、そうでしたね、うっかりちゃっかり忘れてました。」
「もう叶ってる事書いてどうするんだ。」
「レプリロイドである事を忘れる人も珍しいですけどね。」
すでに叶っている事を書いていた英鴻に皆、溜息を付く。
「残りは親父と母さんの短冊のみだな、えーと・・・
あまりにもバカップル丸出しなので公開はしない。」
「おいコラ、レノン紛らわしい言い方するな。」
「フーン、まあいっか、じゃあお二人さ〜ん♪また後でねー!」
「たまには2人で過ごしてよ、邪魔者は消えるからさ。」
「では行きましょうかネ、皆さん。」
「お暑い事でね〜。」
「えっちょっとみんな・・・。」
バタンッ。
エックス達が出て行った後、沈黙がこの場を支配する。
「気を遣わせたみたいだな・・・。」
「そうみたいね、でも・・・ゼロと二人っきりになるなんて久しぶりよね。」
「ああ、そうだな・・・今は・・・こうして居よう・・。」
「そうね、せっかく2人っきりになれたんだし・・。」
そうするとゼロがアイリスを引き寄せ、ゆっくりと時が流れて行く。
実はこの2人・・・同じ願い事を紙に書いていたのです・・。
「「ずっと愛する人と一緒に居られますように」」
きっとこの願いは叶う日も近いでしょう。
ELITE HUNTER ZERO