晴嵐華さんよりロックマンX小説10「Neptune and girl's stories〜海神と少女の物語 〜」



第一話

「ねぇーお兄ちゃん。」 「何だ?」 「お兄ちゃんって何でお目目の色が違うの?ソニアは一緒だよ??」 「それはなぁー、母さんと父さんの子供だから。」 ソニアが縫いぐるみを抱きながら、デスクワークをしているレノンに質問をする。 「でもソニアの目はお母さんの目だよ??」 「俺達はレプリロイドだけどな、たまに俺みたいに設計図通りに作られない奴もいるんだよ。」 「フーン、難しくて分からないけど・・・お兄ちゃんのお目目の色って綺麗だよ!」 「そうか?ありがと。」 自分の目を見て、不思議そうに呟くとレノンが振り返り、笑顔で言う。 「じゃあソニアは遊びに行ってくるね!レノンお兄ちゃん!さぼっちゃダメだよ!」 「いってらっしゃーい・・・さて・・可愛い妹も行った事だし・・・仕事に励むか。」 ソニアが出て行った扉を見て、背伸びをし、仕事の取りかかる。 「おはよう!ポセイドンさん!」 町の水を管理する建物の中心部に走って行き、             中心部の機械と同化しているレプリロイドに向かって話しかける。 「・・・・おはよう、今日も来たのか?」 「うん!今日も楽しいお話聞かせてね!」 「楽しいか?今ではこんな話など誰も聞かないのだがな。」 「楽しいもん!ソニアはポセイドンさんのお話大好きだもん!」 「そうか、そう言ってもらえると私も話しがいがあるよ。」 ポセイドンに向かってソニアが笑顔で言うとポセイドンも笑顔で返す。 「ポセイドンさんは何百年も此処に居るんだよね!」 「ああ、まだレプリロイドが居なかった時代からここの水を管理してるんだ。」 「此処にずっと居て退屈じゃないの??」 「退屈な訳が無い、町中の水をずっと管理しなくちゃいけないんだからな。」 「そうなんだ・・・ごめんね、ソニア毎日来て・・・。」 ソニアがポセイドンの入っている機械に近づき、質問をすると             ポセイドンがソニアの目線に会わせて屈み、話す。 「何でだ?俺はソニアが毎日会いに来てくれることがとても嬉しいんだ。」 「本当?」 「ああ、本当だ。」 「本当に本当に本当??」 「本当に本当に本当だ。」 ポセイドンが機会の中から体を出し、ソニアに触れると             ソニアがおどおどとした態度で聞き返す。 「じゃあ指切りげんまんして!」 「指切りげんまん・・・ああ、人間の子供がする奴か、良いぞ。」 そう言うと機械の外に出ているポセイドンの腕を掴み指切りげんまんをする。 「えへへ、これでポセイドンさんとソニアはお友達だよ!」 「そうだな、さあそろそろお帰り、お母さんが心配するよ。」 「え〜・・・うん、じゃあソニア帰るよ!また明日くるから!             またね!ポセイドンさん!」 「じゃあな、気を付けてお帰り。」 笑顔で帰るソニアを手を振って見送る。 「ねぇママ。」 「ん?なぁにソニア?」 「ママって恋をした事がある??」 「え・・・。」 ソニアがハンターベースに帰り、エネルギーを食べている時に、アイリスに質問をすると アイリスが驚きのあまり書類を落とす。 「ねぇママ!」 「あ、あらソニアもいい人を見つけたの??」 「うん!!もの凄〜〜〜〜〜〜い!かっこいい人!!」 「ふ〜ん、お兄ちゃんとパパよりも?」 呆然としているアイリスをソニアが大声で覚ますと、気を取り直し聞く。 「うん!パパとお兄ちゃんよりもかっこいいよ!!」 「へぇ、そうなの、いつかママもその人の所に連れて行ってね。」 「(お、俺よりも格好いい奴・・・・興味があるな・・・。)」 「(・・・・・ソニア。)」 アイリスとソニアがほのぼのと会話をしている時に             扉の外でゼロとレノンが聞き耳を立てる。 「どーすんの?親父、俺は興味あるから明日ソニアの後付けてみるけど??」 「・・・・俺は仕事だからな・・代わりの人物に行かせる。」 「了解―、んじゃ明日カメラの用意でもしてますかね。」 こうしてゼロとレノンはソニアが恋をしている相手を突き止めるべく、             意気込むのであった。 「じゃあお母さん行ってきま〜す!」 「はい、行ってらっしゃい、車に気を付けてね。」 「うん!分かってるよー。」 「よっしゃ、んじゃ行くぞエックス!」 「何で俺が・・・。」 「良いじゃん、お前暇なんだろ??」 「暇な訳じゃ・・・。」 「あっソニアを見失う!行くぞエックス!!」 「あ〜!何で!痛い!髪引っ張らないでよレノン!」 ソニアが笑顔で出かけるのを二人でついて行く、暇人エックス&レノン 「此処って街の水の管理センター、だよな?」 「うん、間違い無いと思うけど・・・・」 「何でこんな所にソニアが来てるンだ??」 「まぁ入ってみたら分かると思うよ。」 ソニアが街の水を管理する建物に入るのを見て、レノンとエックスも続いて入って行く。 「おはようポセイドンさん!」 「おはよう、今日も元気だね、ソニア。」 「うん!ソニアはとっても元気だよ!!」 微笑ましい光景を研究員の格好をして見る、後ろから             女レプリロイドが黄色い声援を上げているのは無視しよう。 「あれが・・・ソニアの初恋相手ぇ?」 「わお、ソニアちゃんって見る目あるね・・・。」 身を乗り出して見てみると、青い長い髪で             整った顔付きのレプリロイドが居て、目を奪われる。 「あれが街の水を管理するレプリロイド・・・ポセイドン。」 「ふーん、あれがポセイドンか・・・何か女達が噂してるから何と思いきや・・・。」 「レプリロイドがまだ完成する前から此処の水を管理してるみたい、             へ〜・・・尊敬するよ。」 「レプリロイドが出来て無い時代だぁ??うぇっ・・・気が遠くなるし・・・。」 ポセイドンを見て、色々と話す、男×2 「貫禄が違うな、貫禄が。」 「うん、納得出来るね、んじゃ写真だけ取っていこうか。」 「了解。」 パシャッ! 「それで・・・どうなった??」 「ん、コレソニアが惚れてる奴、貫禄が違うよな〜貫禄が。」 「こいつは・・・!」 「ん?どうした親父。」 「どうしたも何も!さっきイレギュラー認定されたレプリロイドだ!」 「何だって!?」 タッ!! レノンが写真を見せると、ゼロがさっき見たイレギュラー認定された、             と衝撃的な事を言うと、誰かが闇に走り出す。 「ゼロ!レノン!!」 しばらくするとアイリスがゼロとレノンに向かって走ってくる。 「どうした?アイリス。」 「ソ、ソニアが何処を探しても居ないの!」 「な、何だって・・・・もしかして・・・。」 「何か知ってるのか?レノン。」 今にも泣きそうな顔でアイリスが言うと、レノンが心当たりのある様な顔をする。 「ソニアは・・・ポセイドンの所かも知れねぇ。」 「ポセイドン・・・危険だ!あいつはイレギュラー認定されたレプリロイドだぞ!」 「え・・・ソニアは・・・そんな所に・・・。」 「母さんには俺が付いてる!親父!さっさと行け!」 「アイリス・・・大丈夫だ、俺がソニアを連れ戻すから・・・レノン頼んだぞ!」 アイリスに安心するように話しかけ、一度抱きしめてから、走り出す。 「レノン、大丈夫よね・・・きっと。」 「大丈夫だよ、母さん、親父は強ぇから。」 アイリスが不安そうに言うが、レノンが笑顔でアイリスを励ます。 少女と海神の悲しき物語 海神は世界を滅ぼす為に戦い 少女は涙を流す。 破壊神は少女を救う為に戦う。 海神と破壊神が戦う中。 少女は何を思うのか? そして海神と破壊神は何を想い戦うのか? 戦いの終末に待つのは・・・殺戮か平和か。 その答えは誰も知らない・・・。

第二話

「ハア・・・ハア・・・・ポセイドンさん!」 「ソニア!?何故此処に来た!」 「だって・・・お父さんがポセイドンさんの事イレギュラーって言ってたから・・・・。」 「・・・それは本当だソニア。」 「・・・え・・。」 息を切らせてソニアが水の管理センターへ行くと、ポセイドンが驚いた顔を見せる。 「俺は・・・もうイヤなんだ・・・人間がこれ以上堕ちるのを見たくないんだ。」 「で、でも!人間はきっと立ち直れるよ!お父さんが言ってたもん!」 「・・・ソニアは強いな・・・だけど・・・俺はそこまで強くないんだ・・・。」 「そんな!ポセイドンさん!!」 一瞬だけ穏やかな眼差しになるが、自らの武器「水神の矛」をきつく握り、厳しい眼差しに戻る。 「・・・此処にいると巻き込まれる・・・俺はお前を死なせたくない、しばらく待っていろ。」 「ポセイドンさん!駄目!人間を殺しちゃ駄目!!」 「・・・ごめんな。」 ソニアの方を優しい顔で見るが、次の瞬間、ソニアを泡に閉じこめ、       町を見て、水の管理プログラムを暴走させる。 「聖書にもある・・・大洪水・・・俺は・・・神では無いが・・・人間達を・・・一掃する。」 「駄目・・・ポセイドンさん・・・。」 「ソニア!」 「貴様・・・イレギュラーハンター・・・フッ・・・俺を倒しに来たようだな。」 「お父さん!」 ソニアが涙を流しながら言うと、ちょうどその時ゼロが水の管理センターに到着する。 「お前がソニアの父親か・・・だが・・・イレギュラーハンターには容赦しない!」 「ちっ・・・ソニアを離せ!」 「フン、離してほしくば・・・俺を倒してみろ!」 「(速い!)」 ズバッ!! 「くっ・・・・。」 「駄目!やめてポセイドンさん!」 ゼロが戦闘態勢を取ると、ポセイドンが素早く、陸用アーマーに変形し、ゼロを斬りつける。 「クッ・・・このままじゃ町が・・・。」 「此処に居ればお前と俺以外は邪魔は入らない、さあやるぞ。」 「ヤダよ・・・お父さんも・・・ポセイドンさんも・・・やめて・・・。」 「決着を付ける・・・ポセイドン!!」 「来い!ゼロ!!」 ダッ! そう言うと二人揃い走り出す。 ズバッ!!! 一瞬光の閃光が走り、お互いが、立ち止まり・・・時間が止まる。 「クッ・・・仕留め損ねた・・・・!」 「チッ・・・俺の剣技が外れただと!?・次こそ・・・あっ・・・ソ・・ソニア!!!」 「お父さん・・・ポセイドンさん・・・戦っちゃ・・・駄目・・・だよ?」 お互いが、傷を負っていないのに気づき、振り向くとそこには血だらけのソニアが倒れていた。 「ソニア!お前・・・何て言う無茶を!」 「え・・・えへへ・・・ごめんなさい・・・お父・・・さん・・。」 「ソニア!!」 「・・・・。」 ゼロが素早くソニアに近寄り、ソニアを抱きかかえるが、ソニアが微笑み、腕が力無く垂れる。 「ソニア!目を覚ましてくれ!ソニア!」 「・・・大丈夫だ、息はある・・・助けられる。」 「ポセイドン・・・。」 「俺はこんな事を望んでいなかった・・・          ただ・・・子供達が笑って過ごせる世界を作りたかったんだ。 だけど・・・俺は間違っていた・・・俺がしている事は子供達を泣かせることだ・・・。 何が英雄だ・・・これじゃ・・・イレギュラーじゃないか・・。」 ゼロの叫びがむなしく響くと、ポセイドンがソニアに近づき、ソニアの頬を悲しそうに撫でながら 悲しそうに呟くと、水しぶきがポセイドンにかかり、まるで涙を流している様に見える。 「・・・ポセイドン、まだやり直せる・・・ソニアを・・・助けてくれ。」 「分かった、俺の命を・・・この幼き少女に捧げる・・・。」 ブチッ!バチバチバチ・・・。 ソニアを見て、決心したのか、ポセイドンがいきなり、自分の胸に穴を開け、何かを取り出す。 「ポセイドン!お前・・・何をしようとしている!」 「黙って見てろ・・・俺の・・・全てをソニアにやる・・これでソニアは生きられる・・・。」 「そうしたら・・・お前は・・・。」 「死ぬだろう・・・間違いなく、だけど・・・これが俺の償いだ・・・。」 その行動にゼロが目を見開くが、ポセイドンは冷静に、自分の胸から取り出した美しい宝石をソニアに埋め込むと 真剣な顔をし、立ち上がりゼロを見る。 「ゼロ・・・俺を破壊してくれ・・・。」 「ポセイドン!何を考えている!お前はまだやり直せる!」 「いいや、俺が死なないと・・・このプログラムは止まらない・・・だから・・頼むゼロ。」 「ポセイドン・・・・・・分かった・・・お前の意志・・・俺が受け取った。」 ザシュッ!!!!・・・バチッバチ・・・。 次の言葉の瞬間、赤い液体が宙を舞う。 「ありがとう・・・・ゼロ・・・これで・・・大丈夫だ。」 「ああ・・・何か言い残すことは無いか・・・?」 「そうだな・・・俺の友・・・英鴻と飛星と言う者に伝えて欲しい言葉がある・・・。」 「・・・・聞こう。」 「・・・I did not get used to a hero after all -- however, ... time it is long -- living -- fortunate ... therefore, ... I know ... all -- it entrusts to you          -- a young hermit and the star which flies.          If it is also the thing which is being waited for you in the sea and which do not understand some, come to meet me.          If it , also carry out repairwith a hunter base. It will become your power supposing          it starts well. If good at such irregular bound ..... It is regrettable that it cannot hear it any longer forever that          it cannot perform with your biwa, a whistle, and my harp. -- my -- a friend -- the days passed with you ...          it was pleasant. Moreover, I will meet.」 (俺は結局英雄にはなれなかった、だけど・・・長い時生きて幸せだった・・・。 だから・・・俺の知っている事を・・・全てお前に託すよ、英鴻、飛星。 海の中でお前達を待っている、何か分からない事でもあったら俺に会いに来い。 そしたらハンターベースで修理でもしてくれ、もしうまく起動したらお前達の力になってやる。 こんなイレギュラーで良ければ・・・な・・。 お前の琵琶と笛、そして俺のハープで少しの間、演奏できないのが本当に残念だ。 じゃあな、我が友達達よ、お前と過ごした日々・・・楽しかった。 また会おう。) 「・・・・。」 「これで良い、ありがとう・・・それと・・・もう1つお願いしていいか・・・?」 ポセイドンが伝言を伝え終わると、また1つ頼み事をお願いする。 「ああ・・・何だ・・・言ってみろ・・・。」 「俺を・・・海の中に投げ入れてくれ・・・最後は海を見て死にたいんでね・・・。」 「分かった、ポセイドン・・・せめて静かに眠ってくれ・・・。」 そう言うとポセイドンの体を海に優しく沈める。 「(ああ・・・俺は忘れていたんだ・・・          海の美しさを・・・海はこんなにも輝いて居た。 海は誰にも縛られない・・・けっして・・・俺は間違って居たんだな・・・。 でも・・ソニアとゼロが気付かせてくれた・・・          ありがとう・・・俺を・・故郷に返してくれて・・。)」 トンッ・・・。 「(願わくば・・・俺が目を覚まさぬ事を・・・祈る。)」 そう言うと、自らの体から美しいハープを取り出し、弾き始める。 ポロン・・・ポロン・・・。 「人類の小さき子供達よ・・・命の灯火を・・・消さないで・・・生きてくれ・・。」 ハープを弾きながら美しい歌声で歌っていると、          ハープがポセイドンの手から離れ、ポセイドンの隣に落ちる。 「補助エネルギー・・・回復完了・・・今から・・・スリープモードに入ります・・・。」 そして最後に補助エネルギーのスイッチを入れ、スリープモードに入る。 「・・・ポセイドン・・・海を司る神・・・最後は海を見て死にたい・・か・・・。」 ゼロが悲しそうに海から聞こえる、ハープの音色に耳を澄まし、ソニアを優しく抱き上げる。 「ソニア・・・帰ろう・・・レノンとアイリスの元へ・・・。」

第三話

「通信だわ!ゼロから!ソニアちゃんと一緒だって!」 「はぁ〜良かった・・・もう大丈夫だ・・・。」 「本当!?じゃあ僕向かいに行ってくる!」 「アクセル!俺も行く!!」 「ゼロ・・・良かった・・・。」 「フウ・・・冷や汗かいた・・・・。」 「まったくその通りだ・・。」 その頃ハンターベースではゼロからの通信が入った事によって、安堵の声が挙がる。 「ゼローー!ソニアちゃーん!」 「お前ら無事かーー!!」 「ゼロー!死んでないー???」 「おい、お前は人の親父を何だと思ってる。」 アクセルとレノンがソニアをおぶったゼロに向かって走っていく。 「誰が死ぬか!」 「おい!親父、ソニアに何があった!何だこの出血量!!」 「それよりも医務室、医務室!」 「ああ、今行こうとしてた!」 ソニアの怪我を見て尋常では無いと悟ったのか、医務室に運ぶ。 「・・・・おかしいです。」 「・・・・ソニアの体は大丈夫なのか・・・?」 ゼロが付きそう中、看護レプリロイドがソニアの体を調べ、          カルテを見ていると不思議な事に気付く。 「ソニアちゃんのエネルギーが異常な程上昇しているんです、          こんなエネルギー・・・見たこと無い。」 「・・・・そうか。」 「ですが、日常には支障がありませんので、ご安心下さい。」 「そのエネルギーのデータをコピーしておいてくれ。」 「はい、分かりました、ソニアちゃんは今日帰って結構です、          怪我もしてないようですしね。」 「ああ、感謝する。」 看護レプリロイドの話を聞き終えると、ゼロがソニアを抱え、医務室を出る。 「あっ親父・・・ソニアは大丈夫か?」 「ああ、今日家に帰って良いそうだ。」 「え・・・だったらあの血は・・なんだったのさ?ソニアちゃんは傷1つ追ってなかったんでしょ?」 2人が不思議そうにソニアを見る中でゼロだけは疲れ切った顔で溜息を付く。 「ゼロさん、ソニアちゃんのデータコピー出来ましたよ。」 「ああ、ありがとう。」 「親父、ソニアのデータのコピーなんざどうすんだよ?」 「もう、ゼロの考える事は分からないよ。」 ゼロがソニアのデータコピーを貰うと、レノンから質問が出るが、答えない。 「さあ、さっさとアイリスの所に行くぞ、心配してるからな。」 「ああ、ソニアそれにしても良く寝てんなー。」 「よっぽど疲れたんだろうね〜。」 色々な事を話ながら、アイリスの元へ向かう。 「ソニア!」 「ママ!」 アイリスがソニアの姿を見つけ、駆け寄る。 「もう、心配したのよ・・・怪我は無い?」 「うん、大丈夫だよ、お父さんが守ってくれたから。」 「アイリス、ソニアを頼んで良いか?」 「ええ、良いわ、ゼロは調べ物?」 「ああ、じゃあ頼むぞ。」 「パパがんばってねー。」 ゼロがソニアをアイリスに引き渡し、ゼロは調べ物がある、と言って退室する。 「親父、俺も手伝う。」 「レノン、分かった、お前も知っておいて損は無い。」 「ああ。」 レノンがアイリスとソニアの居る部屋から出てきて、ゼロについて行く。 「ったく、親父はデスクワークも出来ねぇのにこれやろうとしてたのかよ。」 「・・・・お前を連れて来て成功だったな。」 「俺が居なきゃ無理な品物だったなー。」 レノンが呆れ顔でソニアのデータのコピーをコンピューターに打ち込んでいく。 「よし、これで良いだろ。」 「・・・・ありえない数字が出てきたな。」 「お前のエネルギー数値の三分の一だがな・・・膨大な物だ・・・。」 ソニアの今までのエネルギー数値とは比べ物にならないエネルギーがはじきだされる。 「ねぇ、お母さん・・・・ポセイドンさんはどうなったの?」 「!・・・・ソニア、落ち着いて聞いてね。」 「ううん、分かってる・・・ポセイドンさんがもう居ないって事。」 「ソニア・・・ポセイドンさんはソニアの事を守るために・・・自分の身を犠牲にしたの。」 「でも・・・ソニア・・・ポセイドンさんと・・・もっと一緒に居たかったよぅ・・。」 「だから・・・・ソニア・・・ポセイドンさんの為に・・・精一杯生きなさい・・・。」 大人びた言葉を言うが、まだまだ子供で次の瞬間は涙ぐみ、          ソニアをアイリスが抱きしめる。 「う゛ん・・・・わがっだ・・・。」 「ソニア、もう疲れてるでしょ、休みなさい。」 「うん・・・・。」 ソニアの事を優しく撫でて、ソニアも安心したのか、スリープモードに入る。 「あ、母さん。」 「あら、レノン。調べ物は終わったの?」 「うん、親父なら屋上に居るけど?」 「フフ、ありがとう、レノンも無理しないでね。」 ギュッ。 「かかかかかか母さん!?」 「もう、レノンは子供らしくしてていいのよ?あなたは私の子供なんだから。」 「でも・・・俺がしっかりしないと。」 「良いの、子供に守られるぐらい私は弱く無いのよ?」 レノンの事を抱きしめ、アイリスが微笑みながら言う。 「うん、ありがとう母さん。」 「どういたしまして。」 「あのさ・・・ソニアに会っていいか?」 「良いわよ、起こさないようにね。」 そう言うとレノンの頭を撫で、通路を歩いていく。

第四話

ガラッ・・・。 「・・・・寝てるな、見事に・・・。」 ソニアが寝ている部屋を静かに空け、ソニアの顔をのぞき込む。 「ソニア、お前は・・・ミラージュみたいに・・・俺の前から居なくならないでくれよ。」 「お兄ちゃん・・・・。」 「!・・・何だ寝言か。」 一瞬ソニアが起きていたのかと思い、目を見開くが、寝ていたのが分かると、微笑む。 「俺、お前の事・・・一生懸命守るからな・・・。」 「・・・・・うん・・。」 「・・・ホントお前は俺を驚かせるな。」 そう言うとソニアの頭を撫で、部屋を出る。 『ソニア・・・・ソニア・・。』 『・・・ん・・・・だ・・・れ・・?』 『俺だ、ソニア・・・。』 『ポセイドンさん!』 『怖い思いをさせてごめんな。』 『ううん、ソニア・・・ポセイドンさんの事大好きだよ・・・。』 『ありがとう・・・でもな、俺はもう行かなきゃいけない・・。』 『え・・・待って!ポセイドンさん!』 何処か知らない空間にソニアとポセイドンだけが居て、          ポセイドンがソニアに何かを伝えようとする。 『ソニアに渡したい物がある・・・俺が使っていた武器だ・・・          長年付き添ってきた奴だ・・・・。 きっとお前を助けてくれるはず・・・だから・・・持っていてくれ・・・。』 『ポセイドンさん!』 『ソニア・・・ありがとう、時が来たらまた会おう・・。』 ポセイドンがソニアに海神の矛を渡し、消える。 「ポセイドンさん!」 そして次の瞬間、ソニアが目を覚ます。 「あれは・・・夢だったの?・・・・あっ・・・。」 少しがっかりそうに項垂れると、ソニアの手には無い筈の海神の矛が握られていた。 「ポセイドンさん・・・ソニア・・・がんばるね・・・          ポセイドンさんの分もいっぱい生きるよ!」 海神の矛を見ながら、ソニアが誓いを立てる。 その時、人々は目もくれなかったが・・・海が少しだけ、笑った様に波を立てた。 「お兄ちゃん!ソニアと勝負して!」 「おっそうか!んじゃやってやるかー。」 「レノン、手加減してあげてね。」 「・・・・本気になるなよ。」 ポセイドンの事件からしばらく経ち、ハンターベースに元気な声が戻ってくる。 「行くよー!エイッ!」 「ハッハッハー!止まって見えるぞソニアー!」 ヒョイッ。 ドッカーーーーーン! 「あっ・・・ソッソニアー!!無事なのーーー!!??」 「おいレノン!手加減しろと言っただろうが!」 「俺じゃ無ぇよ!ソニアだよ!俺ミラージュの矢使ってねぇし!!!」 ソニアがレノンに向け、海神の矛を振り下ろした瞬間、大爆発がおき、壁が粉砕される。 「わー、すごいねーこの武器!」 「没収だ!こんな危険物!!」 「あー!!返してよー!!」 「ダメよソニア!あなたにこれは危険すぎるわ!」 「レノン!それはお前が管理しろ!」 ソニアが感心して海神の矛を見るが、危険すぎる為、回収される。 「それはソニアが貰ったのー!!」 「お前が大人になったら返してやる!」 こうして海神の矛はソニアでは無く、レノンの手にわたる事に、さてどうなる事やら。 ちなみに・・・ポセイドンがゼロに託したメッセージは忘れ去られていましたとさ(笑) でもきっと時が来れば思い出すでしょう。 それまで海の神は海底で誰かを待っているでしょう。
  ELITE HUNTER ZERO