クライム(とろ)さんより漫画+挿絵「レプリエンジェルアイリス」
02話
これは『ソウルイレイザー』より数か月前、アイリスがハンターベースに見習いオペレータとして
研修に行っていた頃の話…。
早朝に目覚ましを止めた後、同居中の兄、カーネルに起こされてアイリスはベッドから起き上がった。
アイリス「ふぁああ~~、もう、兄さんったら、勝手に私の部屋に入って来ようとするんだもん、
信じらんない」
BRRRRRRRRR・・・
ティア「アイリス~、メールが来たティア!」
ティアはアイリスのスマホから変形した手のひらサイズのペット型スマートナビで、
スマホに来た着信や通知を知らせたりナビゲートしてくれたりする。
アイリス「あ、ベールからだ」
ベールはアイリスの近所に住んでいる幼馴染でオペレータの同期でもある。
アイリスはスマホを操作してメールを開いた。
『おはにょわぁぁあ~~~!(;>◇<;)ちょっとコレ見て!』
アイリス「朝からテンション高いなあ…、なんだろう」
tps://twitter.com/reBOMBOM_PR/status/912151110713958400
アイリスはメールに貼られていたURLをタップしてみた。
内容はボンボンのロックマンX漫画で有名な岩本先生のインタビュー漫画だった。
アイリス『おおー』
思わずアイリスはLINEのチャットで返信した。
ベール『URL見た~?岩本先生版ロックマンXのハードな世界観の元ネタがコブラ
だったなんて驚きダヨ~~(@△@j)』
アイリス『私も!初耳だよ』
ベール『あとコレ!』
tp://blog.livedoor.jp/rockmanunity/archives/8945764.html
続いてベールが貼ってきたURLをアイリスはタップした。
アイリス『あ、ロックマン30周年のロゴ!』
ちなみにベールは小さい頃からTVゲームが好きで、特に『ロックマン』というゲームに
関しては熱狂的だった。それにつられてアイリスもファンになって長年『ロックマン』を
プレイしてきた。
『ロックマン』というのは今から100年前のロボットが平和を守るために戦う物語を
描いたゲームで、アイリスがいる世界に残っている情報から100年前の実際の歴史を再現して
作られたといわれている。またパラレルな世界の話や未来の話なんかもある。
アイリス『ロックマン、30周年のロゴ、いいね♪(>ω<)b』
ベール『これを機にロックマンの新作が再スタートすればいいけどねえ…(TωT;)』
アイリス『あ、ねんどろいどのロールちゃんの新コスチューム、かわいい!』
ベール『くぁ~いぃぃい~~ヽ(>ω<)ノ アイリスの新コスも出たらいいね』
アイリス『新コスのデザイン、考えておかなきゃ!笑』
カーネル「アイリス~~、朝メシ冷めちまうぞ~!」
下の方からカーネルの声が聞こえた。
アイリス『あ、兄さんが呼んでる。じゃ、またあとで』
ベール『Bye-Bye´・ω・)ノシ またね☆』
アイリス『また~(^-^)ノシ』
スマホをしまってアイリスは1階に降りた。
カーネル「やっと来たか。もう時間がないから私は先にレプリフォース本部へ行ってるぞ。
最近はサイバーイレイザーによる物騒な事件が多い。アイリスもハンターベースまで
気をつけてな。初日なんだし遅刻はするなよ」
アイリス「うん、分かってるわよ。兄さんも気をつけて」
サイバーイレイザーとはフロッピーやポケベルを愛する懐古主義者が
高度に発達したレプリロイドの電子頭脳やスマホにウイルスを流し込み、フロッピーやポケベルに
変換した後に消去することで世界を支配しようとしている謎の犯罪組織だ。
全く、フロッピーやポケベルで世界征服なんて出来るわけないじゃない。
ぱく、もぐもぐ・・・
アイリス「う~ん、おいひぃ!」
カーネルが作った目玉焼きやトーストを口にする。ほどよい半熟加減が口の中でとろけて
広がる。香ばしい香りが食欲をそそる。
アイリスはまだ料理は修行中だが、いつか私の彼には兄のような手料理を作ってあげる
、という夢を見ていた。今はまだいないけど。
ピポピポパ、ピポピポパ、ピポピポパ、ピポピポパ、
突然、アイリスのスマホから緊急速報、EMGメールの通知音が鳴り響いた。
アイリス「緊急速報?!?!なんだろう…」
『ミサイル発射。ミサイル発射。Z国からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や
地下に避難して下さい。』
アイリス「えっ?!Z国?!ミサイル?!」
014話『ハンターベース復帰』
見習いオペレータとして幼馴染のベールと共に出勤する予定のアイリスだったが、
突如、街に放たれたミサイルを迎撃するため、ハンターベースへ急行。
なんとか赤いハンターと連絡が取れ、ミサイル迎撃ミッションに成功したのであったが…、
ミサイルを迎撃して休む間もなく、ハンターベースに偽ハンターが現れ、
アイリスとベールを襲おうとしてきたが、駆けつけてきた赤いハンター、ゼロが一刀両断。
アイリスたちは助かったものの、ゼロはミサイル迎撃ミッションでのダメージが残っており、その場で倒れてしまった…。
「ミサイルのダメージが、今になって響いて…うっ!」
バタッ!
「ゼロッ!!」
ゼロの元に駆け寄るアイリス。
その後、救護班を呼び、手当てをしてもらう事によってゼロは一命を取り留めた。
アイリスとベールもほっと胸をなでおろす。
続いてハンターベースで正常に動けるレプリたちはベース内で被害にあった、
機能停止されたオペレータや麻痺している通信機器などの修復作業に各々分担して取り掛かった。
そして翌日の朝。
「朝になったティア~!起きるティア~!」
アラーム代わりにアイリスのスマホペットのティアが目覚ましのコールをする。
アイリスとベールは一時的に借りたハンターベース女子寮の寝室で目を覚ました。
「ふぁぁぁあ~、いつの間にか眠ってしまってたわ…」
「あぁぁ~ふぁぁぁ~、私も…。昨日は大変だったね」
「でも無事にミサイルを迎撃できて、街の被害をあまり出さずに済んで、よかった。
ホントによかった…」
「アイリスが必死に頑張ったからだよ」
「うん。でも、私だけじゃミッションは成功出来なかった。ベールとティア、そして
ゼロが力を貸してくれたから、無事に成功出来たのよ」
「そうだったね…。ホントに初日からこんな目に合うなんて、これから先、不安になりそう…。
あ、そうだ、あの赤いハンターさんはどうなったんだろう…?」
「ゼロ…。支度を終えたら様子を見に行ってみましょう」
「うん!」
昨晩は疲労の為か、オペレータアーマーの姿のままでベッドに倒れこんで眠ってしまっていたが、
今日は改めて正式にベースの皆に挨拶をする日。フレッシュな姿で気持ちを一新させたい。
今日の下着は新鮮な気分にするため、アイリスは純白のショーツを選んで穿いた。
ぴたっとヒップにひっつく感じで気が引き締まる。ショーツの外回りを指でなぞって食い込みを直す。
ブラも合わせて純白で、ホックを止めた後、発育中の乳房を寄せ上げて、動いてもズレずにフィットするように
カップに包み入れた。下カップとストラップを数回揺らして乳房がカップからズレない事を確認して下着の着替えは完了。
下着を変えている間に脱ぎたてのアーマーを部屋のカプセルに入れてクイック洗浄・乾燥させ
、再びオペレータアーマーを装着した。
アイリスが支度を終えた頃にはベールも同じく下着とアーマーの支度を終えたようだ。
部屋を出て通路を通り、救護室へ向かうアイリスとベール。
途中、初めて見かけるハンターやオペレータたちと多くすれ違った。
昨日被害にあったオペレータたちの修復も順調のようであった。
「あ、あなたたちは…!」
アイリスとベールは通路でオペレータのエイリアとばったり鉢合わせた。2人の憧れの先輩である。
「エイリア先輩!あ、初めまして。私、アイリスです」
「同期のベールです」
いきなりのご対面に驚いたが、気を落ち着かせてお辞儀をする。
「昨日は初日から本当に大活躍だったわね。私の事も助けてくれて、なんとお礼を言っていいのやら…。
お蔭さまで街やベース内の被害も最小限で済んだわ。本当にありがとう。まったく、ベースの機能が
全部麻痺してしまうなんで前代未聞の事件ね」
「昨日は私もやみくもに突っ走って、パニックになりつつもなんとかしなきゃって…」
アイリスは昨日の様子を思い出して語り始め…、
「あ、そうだ、私たち救護室へゼロの様子を見に行く途中だったわ。話し込んじゃってすみません」
「あ、いえいえ、私は全然構わないわ。そうだ、2人ともまだベース内に来て間もないし、
私が救護室まで案内するわね」
「あ、ありがとうございます!!」
「ございます!!」
ぺこり。
そういうわけで、アイリスとベールはエイリアに救護室へ案内してもらうことになった。
道中、ベールは歩く度にエイリアの黒いスーツに密着した、やや大きめに発達したおしりがなまめかしく
左右交互に揺れ動く様子を眺めてセクシーに思い、目が釘付けになっていた。
「ここが救護室よ。では、私は次の業務があるのでここで失礼するわ」
「どうもありがとうございます」
「ありがとうございます」
2人がお礼を言うと、エイリアは別の場所へ去って行った。
「「失礼しまぁ~す」」
救護室。何体か運び込まれたと思われるレプリロイドがカプセルに入っており、慌ただしく修理されていた。
「うーん、ゼロは…?」
あたりを見回すアイリス。
そこに、近くにいた救護班レプリが声をかけてきた。
「ハンターのゼロさんなら治療を終えて、次のミッションへ向かっていったわよ」
「あ、どうも。そうなんですか。ありがとうございます」
廊下に出てから、ベールがアイリスに言う。
「ゼロさん、いなかったね」
「うん…。改めてお礼を言いたかったんだけど、ミッションに向かったって事は
身体の傷は回復したのかな…」
まだ朝食を取っていない事に気づいた2人は朝礼の時間が迫っている事もあって
急いでベース内にある食堂へ向かった。
食堂。
基本、レプリはエナジードリンクでエネルギーを摂取するが、エナジーチェンジャーというパーツを装備すれば
レプリも人間と同じ食事を摂取することが出来るようになる。
ハンターベースには人間の職員も多く勤務しているため、人間用のメニューも豊富にある。
ちなみに人間の食事は100年前より進化していて、どんな食べ物でも栄養バランスが自動的に整うように
調整して加工されているため、栄養バランスを考えずに好きなものだけ食べても無問題なのである。
大抵のメニューは自販機で購入する事で瞬時に作られる。
自販機のパネルをタッチするベール。
「私、チョコケーキとクリームパフェ」
「朝から甘いのばっかりね。私はエナジードリンクメロンソーダ味とポテトMサイズを」
ポチッ。
2人は自販機で購入した食事をテーブルへ持っていき、一緒に食べた。
ぱくぱくぱく…。
ちゅるるるぅー…。
2人が食事を終えた時には朝礼が始まる頃の時間になり、そのまま司令室へ移動した。
本日勤務するメンバーが集まり、シグナスより見習いオペレータの紹介の挨拶が行われた。
「先日より、研修で見習いオペレータとしてベースに入ってきたアイリスとベールだ。改めて一言ずつ自己紹介を頼む」
「アイリスです。オペレート業務は見習いの身で、まだ分からない事が多いですが、
皆さんと共に頑張ってゆきたいです。よろしくお願いします」
「ベールです。皆の足を引っ張らずについていくように頑張っていきたいです。よろしくお願いします」
見習いオペレータはアイリスとベールの他にも数名いるようだ。ハンターは男性型レプリが多いのに比べ、
オペレータは女性型レプリが多い。
耳にした噂によるとハンターとオペレータの間でレプリや人間のカップルが出来る事があるとかないとか。
まずはアイリスとベールにはオペレータ業務の流れや機器の操作方法についての説明が、
本日勤務している女性オペレータから行われた。
そして説明を受けているアイリスとベールの近くで、エイリアがハンターをナビゲートしている声が聞こえた。
『こちらゼロ。苦戦している』
「所属不明のイレギュラーが群がっているわね。ゼロのハイパーゼロブラスターが効かないのかしら」
『いや…、先日のミッションで俺のバスターの回路がイカれちまったらしい。ビームサーベルを出すために
最大までエネルギーチャージしながら敵の攻撃を避けているんだが、これじゃ倒すのに時間がかかりすぎる…』
「えっ?!バスターが?」
『…チッ、攻撃が激しくなってきやがった。ぐあああああああーっ!!』
「ゼローッ!!」
「!!!」
ただごとでない様子に司令室にいる皆がエイリアがオペレートしているモニターに目を向けた。
そこにはバスターが撃てずに、敵の猛攻撃を食らっているゼロの姿が。
015話『専属オペレータ選抜』
「トドメは私が刺す」
バスターが故障し、苦戦しているゼロの前に、所属不明イレギュラー集団の親玉と思われるレプリロイドが現れた。
馬型のライドアーマーに跨がっており、顔は仮面によって隠されている。
「ち……く、しょう……」
「我がサーベルの餌食になるがいい」
その時。
ズドォオオオオオ!!!!
青白い光のエネルギー弾によって敵の攻撃が弾かれた。
「何奴!」
「エックス!」
「なんとか間に合った」
ゼロの危機を救って現れたのは苦戦状況を知って駆けつけてきたエックスだった。
過去に何度もゼロにピンチの時に救ってもらった事があり、今回はその恩を返すシチュエーションとなった。
「所属不明のイレギュラー!何者だ!何が目的だ!」
エックスがエネルギーチャージをしながら銃口を向けて言い放つ。
「フッ。ひとまず引き上げるとしよう」
「待てッ!」
バリアを張って馬型ライドアーマーに跨がったイレギュラーとその集団はワープし去って行った。
「逃げられたか」
エックスはゼロの元へ駆け寄った。
「ゼロ!」
「エックス……かたじけない……」
その後エイリアのナビゲートの元、二人はハンターベースに転送された。
ハンターベース。休憩時間。オペレータ機器の操作説明を聞き終えたアイリスとベールは
休憩室に向かって歩いていた。
「ハンターベースは広いわね」
「あたし、ちょっとトイレ」
人間であるベールは休憩時間に用を足す必要があるため、トイレがある方へ歩いて行った。
「私はエネルギーチャージでもしておくかな」
アイリスはその先にあるエネルギードリンク販売機の前に行ったが、まだそんなにエネルギー残量が
減っていない事を知り、近くにある鏡の前に立った。
今朝はドタバタして慌てていたけど別に髪は乱れてはいる様子はなく、一安心。
今のアイリスに想いを寄せる相手はいないが、いつか現れるであろう想い人の事を想って、いつでも女性らしく、
かわいらしくありたいと願っており、おしゃれにはそれなりに気を遣っていた。
髪をかわいらしくアレンジする事で自分自身を好きでい続け、いつも輝ける私でありたいと願っていた。
休憩後は実際にオペレータ機器を操作する訓練に入った。機械の操作が得意なベールはすぐに馴染んだが、
アイリスはなかなか上手くいかずに手こずっている様子だった。
合間にミッションより帰還したゼロがエイリアと話をしているのを見かけ、ゼロが無事だった事を知り、
アイリスは内心ほっとしていた。
昼休み。食堂。
「はぁ~、私、機械の操作がなかなか上手くいかなくて」
「アイリスはレプリなのに人間みたいな所があるからね」
朝と同じくアイリスはベールと同じテーブルで食事を取っていた。
そこで、近くのテーブルで食事をしている女性オペレータたちの話し声が耳に入ってきた。
「ねぇねぇ、聞いた? 近々、あのゼロ様の専属オペレータを選抜するんだって」
「うそぉー! あのゼロ様の!?」
「やっぱりベテランのエイリア先輩かなあ~」
「えーーー!!! 誰が選ばれるんだろう?! 私が選ばれちゃったらどーしよー!」
「ミッションが終わった後で個室に呼び出されてお礼にぎゅ~~ってされちゃうかも」
「キャーーーッ!!!!!」
女性オペレータたちが何やらゼロの専属オペレータについての妄想話をしていた。
アイリスが彼女らの方向に耳を傾けていた。
「ふぅーん、人気あるんだ、ゼロ」
「なになに、アイリスも気になるの?」
「わ、わたしは別に」
ベールの問いかけにアイリスは内心ドキッとしていた。
(私はゼロに助けてもらったお礼をしたいだけ。私が気にしているのはそれだけよ……。きっと)
それから数日後。アイリスとベールはハンターベースでの生活に徐々に慣れてきていた。
朝礼でシグナスからオペレータたちへの通告があった。
「皆も知っての通り、ハンターのゼロの主要武器、ゼロバスターが破損した影響で今、
ゼロの戦闘力を強化するプロジェクトを考案中だ。そこで、彼をサポートする専属オペレータを選抜したいわけだが」
女性オペレータたちはしばしの間、固唾を飲んだ。
「ゼロの専属オペレータは……」
(ゴクリ……)
「アイリスに任命する」
「えっ、私……?」
研修に来たばかりの自分が選ばれるなんて、思いも寄らなかった展開に、
アイリスはしばらくの間、頭が追いつけずにいた。
(私がゼロの専属オペレータ、私がゼロの専属オペレータ、私がゼロの専属オペレータ……???)
(3コマ目のカラー版)
ELITE HUNTER ZERO