クライム(とろ)さんより小説「ゼロアイミッション」
No.000『ひと夏が過ぎて・・・』
海水浴、花火大会、夜のひと時・・・。
騒がしくも短く過ぎた夏が終わり、秋の涼しさを感じる頃になっていた。
イレギュラーの発生率は減少を見せ、平和な日々を過ごすゼロとアイリス。
イレギュラーハンターの仕事の合間に会っては二人が楽しそうに会話をする
様子がハンターベース内でよく見られた。
ベースにいる周りの同僚たちはそんな二人を羨ましくも微笑ましく
見守っていた。
・・・しかし、そんな彼らの背後に新たな魔の手の影が忍び寄っていた。
これから起こる新たな事態を二人はまだ知る由もなかった。
No.001『未知なるイレギュラー』
南洋の無人島で突如イレギュラーが発生し、現場に急行したゼロ。
そこにいたのは謎のウイルスによって蘇り凶暴化した
スリーピー・シープロン・EE(エナジーイーヴィル)だった。
そのウイルスはオペレーターの分析の結果、
百年前に宇宙より飛来した未知のエネルギーのうち、海に沈み
未回収のまま放置されていたものから来ているだろうと推測された。
「パワーアップしたオイラが放つ、真の悪夢にまみれるがいい!」
「なんだコイツは?!ただのイレギュラーじゃないぞ!」
苦戦しつつもゼロはシープロンの心臓部にZセイバーを貫く。
だがそれと同時にZセイバーを通じて侵入してきたウイルスを
全身で浴びてしまった。
「うあああああああああ!!!」
No.002『ゼロ、倒れる』
ゼロからの通信が途絶え、レスキューチームと共にアイリスは
ゼロがいる現場へ向かった。
そこでアイリスたちが目にしたのはシープロンの残骸の近くで
倒れているゼロの姿。
「ゼロ!」
アイリスの応急処置も虚しく、機能停止には陥っていないが
ゼロの意識は失ったままであった。
やがてハンターベースの修理センターへと運ばれる。
「ゼロ。お願い、無事でいて・・・」
果たしてアイリスの願いはゼロに届くのだろうか。
今はただゼロの無事を祈るだけである。
No.003『新生!イレギュラーハンターアイリス』
ロックマンX−ゼロアイミッション−
No.003『新生!イレギュラーハンターアイリス』
エックスを始め、待機中のイレギュラーハンターはゼロが侵された
詳細不明のウイルスの発生源を調査すべく、無人島周辺へと向かった。
一方アイリスはゼロの容体を見守る看護としての任務を任されていたが、
その後もゼロの容体が回復する兆しはほとんど見られなかった。
やはりゼロの内部に潜むウイルスを駆除するしかゼロを助け出す方法は
ないのか。ウイルスのデータさえ手に入れば抗体を作ることができるかも
しれないのだが。相変わらずゼロの状態を見守ることしか出来ない事に
苛立ちを感じたアイリスは居ても立っても居られず自ら行動を起こすべく
立ち上がった。
「私もハンターたちが向かったウイルス発生源の調査に・・・」
しかしハンターでないアイリスにそんな力はない。それなら・・・。
アイリスは自らの意思で自身を戦闘用アーマーへと改造することを決意する。
以前ゼロが使用していたZEROバスター、兄のカーネルのボディアーマーの
設計データをベースにあるアーマー装着カプセルに入力。
「ごめんなさい、ゼロ、兄さん。私、ハンターになります」
イレギュラーハンターアイリスの誕生である。
ELITE HUNTER ZERO